【書籍】みんなで決めた「安心」のかたち

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今年はあまり本を読めなかったんですが、昨日は帰ってからこの本を。
『みんなで決めた「安心」のかたち――ポスト3.11の「地産地消」をさがした柏の一年』五十嵐泰正、安全・安心の柏産柏消円卓会議 著、亜紀書房刊

震災後、ホットスポットとして有名になってしまった柏での「安全・安心の柏産柏消」円卓会議の活動を丁寧にまとめたものです。生産にたずさわる野菜農家、流通にたずさわる直売所やスーパー、消費にかかわるレストランや家庭を協調しながら繋ぐのが如何に大変か。多面的な声を現実的な解に向けてどうまとめて来たかについてのリポートです。

著者の五十嵐さんはつくば大学の准教授で、大阪でのシンポジウムの際に、ライター・エディターの遠藤哲夫(エンテツ)さんに庄内の時のパセミヤに連れて来て頂いたこともあり、その時に商店街や都市部での生活スタイルの変遷について話したので、少しですが面識があり手にとったんですが、カルチュラルスタディーズやグローバリズム、コミュニティ形成などを専門にする社会学者が大きな現実に直面した時に社会の中でどう実践したか、何を考えたかも合わせてとても考えさせられる本になっています。
情緒的もしくは、批判が先行しがちななかにあって、試行錯誤しながらも具体的で実践的な行動を伴う点でとても貴重で
本の中に出てきたみなさんの今後も気になります。

出版を記念して開かれたシンポジウムについては下記のサイトを参照

 

リスクを決めるのは科学ではなく、社会だ ―― シンポジウム「みんなで決める安心のカタチ ~ ポスト311の地産地消を目指して」